ヘルスケアコラム
余裕を持って生活するために必要な「持久力と筋力」を測定してみよう

持久力を表す最大酸素摂取量が低下すると生活習慣病に

中高年期に必要な体力とは、100m走を速く走れるような体力でありません(このような体力を「競技に関連する体力」と言います)。日常生活を余裕を持って過ごすことができる、および生活習慣病を予防することができる体力です(これを「健康関連体力」と言います)。
そんな体力の代表として持久力と筋力があります。持久力は、最大酸素摂取量という指標で評価されます。最大酸素摂取量が低下すると、生活習慣病にかかりやすくなったり、若いころと同じような活動をするとすぐに疲れてしまい、生活に余裕がなくなったりします。

持久力の簡易測定法─ややきついと感じる速さで歩ける距離

では、現在のあなたの体力はどれぐらいでしょうか? 正確な値は、フィットネスクラブや公立の体育館などで運動の専門の方に測定してもらわないとわかりませんが、右ページの持久力と筋力の簡易測定法(表1、2)に従って測ってみることができます。ぜひ、トライしてみてください。
まず、表1に示されている男女それぞれの年齢別の距離を3分間で歩くことができた場合、あなたの体力(持久力)は、生活習慣病にかかりにくい体力(持久力)の値よりも高いことになります。この測定は、“できるだけ速く”歩くのではなく、“ややきつい”と感じるくらいの速さで歩くことにより行われますので、安全な測定法です。

筋力の簡易測定法─いすの立ち座り運動と開眼片足立ちのテスト

筋力については、ふつうと評価される値が生活習慣病にかかりにくい値となります(表2)。この筋力の評価に用いられているいすの立ち座り運動を日々行えば、器具を用いなくても下肢の筋力が増加します。つまり、筋力トレーニングにもなります。まずはふつうと評価される値になるように毎日実践しましょう。
開眼片足立ちのテストも下肢の筋力の指標となります。測定は2回行い、評価は良いほうの数字で見ます。測定時間は60秒以内とし、1回目で60秒に達した場合は、2回目は測定しません。目を開けた状態で片足を上げて、ぐらついたり、上げた脚が20秒未満で床についてしまう場合は、下肢の筋力がかなり低下しています。下肢の筋力が低下すると転倒の危険性が高くなったり、歩く速さが遅くなったりして活発な生活が送れなくなります。また、血圧測定や血液検査のような開眼片足立ちのテストが影響を与えるような測定は、開眼片足立ちのテスト前に行うようにします。
しっかり筋力を維持することが老化防止には大切です。
【引用・参考文献】
 総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画