ヘルスケアコラム

無理なく続けられる運動でPPK(ピンピンコロリ)をめざそう
心血管系や呼吸器系の機能を高めるウオーキングやサイクリング
有酸素運動とはリズミカルな呼吸を保ったまま長時間続けられる運動で、ジョギングやサイクリング、ウオーキングなどがこれに当たります。やめたとき、ゼイゼイと肩で呼吸するような運動は、それよりも強度が高い無酸素運動になります。
有酸素運動を習慣的に行うと心血管系や呼吸器系の機能が高まり、冠動脈疾患の危険因子も減少するため、そういった病気に罹患したり、その結果死亡したりする可能性も低下します。有酸素運動を安全かつ効果的に行うためには、いくつかポイントがあります。
有酸素運動を習慣的に行うと心血管系や呼吸器系の機能が高まり、冠動脈疾患の危険因子も減少するため、そういった病気に罹患したり、その結果死亡したりする可能性も低下します。有酸素運動を安全かつ効果的に行うためには、いくつかポイントがあります。
体脂肪を一番効率よく燃焼させる「ややきつい」強さの運動
有酸素運動は、強度によって何をエネルギー源とするかが変わります。軽いウオーキングのような低強度の運動の場合は脂肪を主なエネルギー源として消費し、運動強度が高くなるにつれて炭水化物を消費する割合が増加します。図1のような主観的な運動強度(RPE)という指標を目安にすると、13の「ややきつい」くらいの強さの有酸素運動が、体脂肪をもっとも効率よく燃焼させます。このポイントは換気閾値(かんきいきち)と呼ばれていて、ちょうど息がはずんでくるくらいの強さです。15の「きつい」と感じるくらいまで強度を上げてしまうと強すぎになります。エネルギー消費は運動時間が長いほど高まりますが、20分間の運動を1日1回行っても、10分間ずつ2回に分けて行っても効果はさほど変わらないと言います。自分の生活スタイルに合わせて運動を取り入れてみましょう。
また、運動頻度は週に2~3回でもかまいませんが、疲労がたまらない程度に毎日行うのが理想です。体力や体調に合わせて無理せず続けられるようなプログラムを組みましょう。
また、運動頻度は週に2~3回でもかまいませんが、疲労がたまらない程度に毎日行うのが理想です。体力や体調に合わせて無理せず続けられるようなプログラムを組みましょう。
活動的な生活の土台づくりにウオーキングが最適
ピンピンコロリ(PPK)とは、充実した人生を存分に全うし、誰にも迷惑をかけず、病まずにポックリと逝きたいという長寿の理想を表した言葉で、同時に健康寿命を延ばすことも意味しています。急速に高齢化が進んでいるわが国では、医療費削減のためにも非常に重要な政策の1つと言えるでしょう。生き生きとした生活を長く送り続けるためには、自分の足でしっかりと地面を踏みしめて前向きに活動することが基本になります。そのためには全身持久力と脚の筋力を維持することが大切です。
ウオーキングは、PPKをめざす運動として最適です。難しいことは何もありません。①いつもよりも少し速く歩くこと、②こまめに歩くこと、を意識するだけで運動になります(図2)。歩数計を活用するのもよいでしょう。
ウオーキングは、PPKをめざす運動として最適です。難しいことは何もありません。①いつもよりも少し速く歩くこと、②こまめに歩くこと、を意識するだけで運動になります(図2)。歩数計を活用するのもよいでしょう。

【引用・参考文献】
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画