ヘルスケアコラム

過剰な不安が招く呼吸困難。リラクゼーション法で克服
正常な不安と病的な不安その見極めが大事
試験や重要な会議でのプレゼンテーションなどの前には、「うまくできるかな」と、誰しもが多少の不安を感じるものです。不安を感じると、脳内のセロトニンやノルアドレナリンといった物質の影響で尿の回数が増加したり、動悸、息苦しさなどの症状を自覚します。こうした不安感や身体的な変化は正常な反応であり、正常な防衛反応と考えられます。
しかし、ストレスを過剰に認識することによって、自分のなかで不安が大きくなりすぎて、処理しきれなくなることがあります。この状態を病的不安と言います。このような状態ではからだの反応も強くなり、時には自分で呼吸をコントロールできなくなることがあります。これが「過換気症候群」あるいは「過呼吸症候群」と呼ばれる病気です(図1)。
しかし、ストレスを過剰に認識することによって、自分のなかで不安が大きくなりすぎて、処理しきれなくなることがあります。この状態を病的不安と言います。このような状態ではからだの反応も強くなり、時には自分で呼吸をコントロールできなくなることがあります。これが「過換気症候群」あるいは「過呼吸症候群」と呼ばれる病気です(図1)。
息を早く吸いすぎて酸素が足りない!
過換気症候群は急激に呼吸が苦しくなり、動悸や手足のしびれと硬直、腹痛などを伴います。ケースによっては意識を失ってしまうこともあります(図2)。
過換気症候群は若い女性に多く見られ、原因はその名前のとおり息を早く吸いすぎることにあります。息を早く吸うことによって、からだの中に酸素が過剰に蓄積しますが、「いくら吸っても酸素が足りない」と感じ、もっと早く呼吸をしようと考えてしまいます。こうした悪循環によってさまざまな症状が起こるのです。
実際に過換気症候群で亡くなる方はいませんが、呼吸の苦しさをはじめ、からだのさまざまな症状が一度に出現してくるため、「死んでしまうのではないか」と不安になります。ある報告では救急車で受診した患者の2割くらいはこの過換気症候群であるとされています。
過換気症候群は若い女性に多く見られ、原因はその名前のとおり息を早く吸いすぎることにあります。息を早く吸うことによって、からだの中に酸素が過剰に蓄積しますが、「いくら吸っても酸素が足りない」と感じ、もっと早く呼吸をしようと考えてしまいます。こうした悪循環によってさまざまな症状が起こるのです。
実際に過換気症候群で亡くなる方はいませんが、呼吸の苦しさをはじめ、からだのさまざまな症状が一度に出現してくるため、「死んでしまうのではないか」と不安になります。ある報告では救急車で受診した患者の2割くらいはこの過換気症候群であるとされています。
カウンセリングや抗うつ薬・抗不安薬も有効
同じ程度のストレスでも不安になりやすい人と、そうでない人がいます。自分の不安に対する強さを自覚し、プレッシャーにあまり強くない人は、自律訓練法(「リラックスするための『自律訓練法』」参照)などの心身のリラクゼーション法を身につけておくことが効果的です。
カウンセリングや、抗うつ薬・抗不安薬といった薬も過換気症候群の治療には有効とされています。
発作が起こってしまった際には、早めに抗不安薬を内服することが重要です。薬がないときには本人の不安を軽減するため、周囲の人は安心感を与えるような語りかけを行うことが望まれます。紙袋を口に当て、過剰な酸素吸入を防ぐ方法もあります。
カウンセリングや、抗うつ薬・抗不安薬といった薬も過換気症候群の治療には有効とされています。
発作が起こってしまった際には、早めに抗不安薬を内服することが重要です。薬がないときには本人の不安を軽減するため、周囲の人は安心感を与えるような語りかけを行うことが望まれます。紙袋を口に当て、過剰な酸素吸入を防ぐ方法もあります。

【引用・参考文献】
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画