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ヘルスケアコラム
拒食症と表裏一体の過食症。交互に繰り返すことも少なくない

いくら食べても満腹感が得られない

スリム志向が加速している現代社会において、食行動に異常を来す人が若い女性を中心に増加しています。それらは摂食障害と呼称され、「拒食症(神経性無食欲症)」(「拒食症(神経性無食欲症」参照)と「過食症(神経性大食症)」に大きく分けられます。
病名は異なっていますが、過食症においても「やせ願望」や「肥満恐怖」などといった、拒食症に見られる体型に対する強迫的なこだわりを持っています。思春期のころ、過剰なダイエットをきっかけに拒食症を発症し、数カ月から数年後に過食症へと移行することが多く、拒食症と過食症とを交互に繰り返すことも少なくありません。
過食症の症状は文字どおり、過剰な食物摂取を特徴とします。3~4人前の食事をしたあとに、さらにチョコレートやアイスクリームなどを大量に食べます。健康な人であれば、ある程度食べれば満腹になり、食事をそれ以上受けつけなくなりますが、過食症の患者さんでは脳の満腹中枢の機能障害や、満腹感を感じる神経伝達物質に異常があるため、いくら食べても満腹感を得られなくなります。

排泄願望にとらわれ下剤を一日数十錠も服用

過食症は、自ら嘔吐をするもの(排出型)と嘔吐をしないもの(非排出型)に区別されます。自己嘔吐以外の排泄行為として、下剤や利尿剤の使用が認められます。食べたものを完全に外に排出したいという願望に支配されているため、薬剤の使用量は極端に多くなり、一日に数十錠の下剤を使用している患者さんもいます。
こうした排泄行為が長く続くと、からだのホルモンバランスが崩れ、電解質の異常や腎機能に障害が生じます。カリウムの値が極端に下がると、筋力が低下することもあります。

心理療法で自己評価をアップ家族の治療への協力も必要

過食症の予防には、規則正しく3度の食事をとることや、就寝前の食事、間食を控えることが重要です。また、過食はストレスに対する誤った発散の結果(いわゆる「やけ食い」)として生じることも少なくないため、日ごろから自分に適したストレスの発散方法を持っている必要があります。
過食症の患者さんは拒食症と違い、自分の病気を何とか治したいという気持ちで受診します。一方、自分ではどうにもできない症状により抑うつ的となり、自己評価が低下しています。
治療としては、規則正しい食生活を指導するとともに、心理療法によって低下した自己評価を持ち上げてあげることがポイントとなります。摂食障害では家族の治療への参加や協力が重要となり、家族療法※を行うこともあります。

※家族療法●患者さんの症状と関連している家族関係を評価し、症状を家族全体の問題としてとらえ、家族関係のあり方を調整していく治療法。
【引用・参考文献】
 総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画