ヘルスケアコラム

食物繊維と低GI値食品でバランスのよい食生活を
血糖値は食後約20分から上がり約2~3時間で正常値に戻れば健康
血糖値とは血液中のブドウ糖濃度です。食べた食物が消化され、ブドウ糖として血液中に増えてきた状態を“血糖値が上昇した”と言います。炭水化物を多く含む食品ほど食後の血糖値上昇は速くなります。そのなかでも砂糖・清涼飲料・飴・チョコレート・果物などは特に血糖値上昇の速いものです。
血液中のブドウ糖は私たちがからだを動かすためのエネルギー源で、特に脳にとっては、通常、唯一のエネルギー源です。血液中のブドウ糖がエネルギーに変換される際には、膵臓のランゲルハンス島から分泌されているインスリンの助けが必要になります。健康な人なら、血糖値は食後20分くらいから上がり始め、2~3時間で正常値範囲内に戻り、一定範囲の血糖値に維持されます(図1)。
血液中のブドウ糖は私たちがからだを動かすためのエネルギー源で、特に脳にとっては、通常、唯一のエネルギー源です。血液中のブドウ糖がエネルギーに変換される際には、膵臓のランゲルハンス島から分泌されているインスリンの助けが必要になります。健康な人なら、血糖値は食後20分くらいから上がり始め、2~3時間で正常値範囲内に戻り、一定範囲の血糖値に維持されます(図1)。
食後の血糖値の上昇はそのときの食事内容で変わる
図1のように、健康な人では、血糖値は食後に上昇してもその後また正常範囲に戻るのですが、インスリン分泌の少ない人やインスリンの働きの悪い人では、血糖値の下がりが悪くなるため高血糖状態が長く続くようになり、放置すれば糖尿病に移行してしまいます。高血糖状態が長く続くと動脈硬化を起こしやすくもなりますので、血管の状態を良好に保つために、血糖値のコントロールは大切なことです。
食後の血糖値の上昇は、そのときの食事内容によって変化のあることがわかってきました。現在、血糖上昇に影響があると考えられるものとして、次の2つが挙げられます。
(1)食物繊維
食物繊維は難消化物のため、消化器官での消化・移送に時間を要し、その結果、食後の血糖値の上昇が抑制されます。食物繊維を多く含む食品(表1)を多くとったり、食事に上手に組み合わせたりすることで血糖値の上昇が緩やかになります。食物繊維は1日に20~25gとることが望ましいとされています。
(2)グライセミック・インデクス値(GI値)
GI値とは血糖値の変動を数値化したものです。ブドウ糖や米飯を摂取したときの変動を100として、食品ごとのGI値が決められています(表2)。数値の高い食品ほど血糖値が上がりやすく、低いほど上がりにくい食品です。食物繊維を多く含む食品は、GI値も低い傾向にあるようです。
食後の血糖値の上昇は、そのときの食事内容によって変化のあることがわかってきました。現在、血糖上昇に影響があると考えられるものとして、次の2つが挙げられます。
(1)食物繊維
食物繊維は難消化物のため、消化器官での消化・移送に時間を要し、その結果、食後の血糖値の上昇が抑制されます。食物繊維を多く含む食品(表1)を多くとったり、食事に上手に組み合わせたりすることで血糖値の上昇が緩やかになります。食物繊維は1日に20~25gとることが望ましいとされています。
(2)グライセミック・インデクス値(GI値)
GI値とは血糖値の変動を数値化したものです。ブドウ糖や米飯を摂取したときの変動を100として、食品ごとのGI値が決められています(表2)。数値の高い食品ほど血糖値が上がりやすく、低いほど上がりにくい食品です。食物繊維を多く含む食品は、GI値も低い傾向にあるようです。
自分の適正エネルギーを知り、バランスよく食べることが大切
しかし、「食物繊維」や「低GI値の食品」も良い面ばかりではありません。食物繊維は消化されにくいものですから、大量に摂取すれば下痢の原因になります。GI値も食品の特性や食べる人の消化機能や食品の調理法・組み合わせ、食べ方や食べる速度などにより変化するため、同じ食品でも血糖値上昇の度合いが異なってきます。また、欧米から報告される研究データが多かったため、日本人の食生活に合ったデータが必ずしも十分に得られているとも言えません。
血糖値の上昇を抑制するためには、食物繊維やGI値の知識を参考にしながら、自分の適正エネルギーを把握してバランスの良い食事をとるように心がけることが大切でしょう。
血糖値の上昇を抑制するためには、食物繊維やGI値の知識を参考にしながら、自分の適正エネルギーを把握してバランスの良い食事をとるように心がけることが大切でしょう。

【引用・参考文献】
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画