ヘルスケアコラム

からだ全体をコントロールするホルモンは老化予防に欠かせない!?
多すぎても少なすぎても、からだの働きに支障を来す
ホルモンという言葉はよく耳にしますが、その仕組みや働きは健康や医療に相当詳しい人でも敬遠したくなるくらい複雑で、わかりにくいものです。しかし、ホルモンの加齢に伴う変化は重要な老化促進因子であり、アンチエイジングでは避けて通ることができません。
では、ホルモンとは何か。からだには状況に応じて各臓器・器官の働きを促進したり、抑制したりして対応し、からだ全体を制御する仕組みが備わっています。その1つが内分泌系で、物質を血液に流し、離れた臓器・器官に情報を伝達し、その働きを調整しています。その物質がホルモンなのです。
ホルモンを分泌する細胞(内分泌器官)は体内のあちこちにあり、これまでに80種類以上のホルモンが発見されています(図1)。どのホルモンもごく微量で、多様な作用を持っています。分泌量の変化(減少→不足または増加→過剰)が生じると、そのホルモンの作用を受ける組織の働きに支障を来し、その程度によって症状が現れます。加齢に伴って分泌量が変化するホルモンは数多くあり、「病気というほどではないが、歳のせいか、どうも心身の調子がよくない」といった症状の原因が、実はホルモンの加齢変化にあったというケースも少なくありません。表1、2に、加齢に伴い変化する主なホルモンを示しています。
では、ホルモンとは何か。からだには状況に応じて各臓器・器官の働きを促進したり、抑制したりして対応し、からだ全体を制御する仕組みが備わっています。その1つが内分泌系で、物質を血液に流し、離れた臓器・器官に情報を伝達し、その働きを調整しています。その物質がホルモンなのです。
ホルモンを分泌する細胞(内分泌器官)は体内のあちこちにあり、これまでに80種類以上のホルモンが発見されています(図1)。どのホルモンもごく微量で、多様な作用を持っています。分泌量の変化(減少→不足または増加→過剰)が生じると、そのホルモンの作用を受ける組織の働きに支障を来し、その程度によって症状が現れます。加齢に伴って分泌量が変化するホルモンは数多くあり、「病気というほどではないが、歳のせいか、どうも心身の調子がよくない」といった症状の原因が、実はホルモンの加齢変化にあったというケースも少なくありません。表1、2に、加齢に伴い変化する主なホルモンを示しています。
ホルモン補充は有効性と危険性の両面を持つ
女性ホルモン療法については、2002年に発表された米国のWomen's Health Initiative(WHI)の大規模研究により、その危険性(乳がんや心血管障害の発症など)が有効性を上回るものであったと報告されて以来、その使用目的は極端に狭まったと言わざるを得ません。しかし、WHIの研究には対象者に肥満や喫煙などの危険要素を持つ方の割合が多かったこと、経口の合成ホルモン剤を用いるなどいくつかの問題点も指摘され、その後、女性ホルモンの効果を見直す報告も多くなされています。
また、男性ホルモンでも、その有効性は確認されてきていますが、前立腺がんなどの危険性が高くなると言われています。
このようにホルモンには有効性と危険性があり、不足しても、過剰になっても標的組織にトラブルが生じ、症状が出現する可能性があります。からだから十分に分泌されているのに補充すると過剰になって、かえって体調を崩してしまうこともあります。さらに、個人輸入という形でインターネットなどで売られているものは製剤の材質に問題があったり、日本人には量が過剰になることもあり、副作用も心配されます。
いずれにせよ、専門医を受診し診察、検査を受けたあとにホルモン療法を開始するのが望ましいでしょう。良いホルモンを適切に使用する、それが重要なことと考えます。
また、男性ホルモンでも、その有効性は確認されてきていますが、前立腺がんなどの危険性が高くなると言われています。
このようにホルモンには有効性と危険性があり、不足しても、過剰になっても標的組織にトラブルが生じ、症状が出現する可能性があります。からだから十分に分泌されているのに補充すると過剰になって、かえって体調を崩してしまうこともあります。さらに、個人輸入という形でインターネットなどで売られているものは製剤の材質に問題があったり、日本人には量が過剰になることもあり、副作用も心配されます。
いずれにせよ、専門医を受診し診察、検査を受けたあとにホルモン療法を開始するのが望ましいでしょう。良いホルモンを適切に使用する、それが重要なことと考えます。

【引用・参考文献】
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画