ヘルスケアコラム

食事と運動療法で改善しない場合、タイプ別の薬物療法を検討
高脂血症は何の症状もないが、放置すればリスクが増大
高脂血症(脂質異常症)は無症状ですが、放置しておくと動脈硬化を進行させ、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの病気が起こしやすくなることから、サイレントキラーと呼ばれています。悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロール(LDL-C=低比重リポたんぱくコレステロール)値が高くなるほど、狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患の発症率は高いことが数多く報告されています。また、最近は中性脂肪(トリグリセリド、TG)が高いことも動脈硬化の進行につながることが報告されています。
高脂血症にはLDL-Cが多いタイプ、中性脂肪が多いタイプ、あるいはその両方が多いタイプがあります。高脂血症の原因は遺伝性のものと、生活習慣や病気、薬物投与などによって起きる二次性のものがあります。家族性高コレステロール血症という遺伝性の高コレステロール血症ではLDL-Cが著しく高くなり、若い年齢から動脈硬化を起こします。最近注目されているメタボリックシンドロームではTGが増加し、善玉のHDLコレステロール(HDL-C=高比重リポたんぱくコレステロール)がしばしば減少します。
高脂血症にはLDL-Cが多いタイプ、中性脂肪が多いタイプ、あるいはその両方が多いタイプがあります。高脂血症の原因は遺伝性のものと、生活習慣や病気、薬物投与などによって起きる二次性のものがあります。家族性高コレステロール血症という遺伝性の高コレステロール血症ではLDL-Cが著しく高くなり、若い年齢から動脈硬化を起こします。最近注目されているメタボリックシンドロームではTGが増加し、善玉のHDLコレステロール(HDL-C=高比重リポたんぱくコレステロール)がしばしば減少します。
腹八分目、よく嚙むなどが食事療法のポイント
高脂血症が発見された時点から早めに食事療法、運動療法を3~6カ月間行います。十分に改善しない場合に薬物療法が検討されます。冠動脈疾患予防のため、動脈硬化の危険因子を複数持っている場合には危険因子の程度に応じて、LDL-Cの管理レベルが決められています。すでに冠動脈疾患がある場合は、LDL-Cをできるだけ低めにすることが目標となります。
食事療法としては、まず標準体重を計算し総摂取エネルギーを適正にします。LDL-Cの高い場合はコレステロールを多く含む食事(たとえば卵黄など)を避け、動物性脂肪の摂取を控えることが重要です。また、TGが高い場合は飲酒を減らし、総カロリーの摂取を抑えて体重を減らし、運動を心がけましょう。高脂血症改善のための食行動を表1に示しました。運動療法としては速歩き、サイクリング、水泳などの有酸素運動を定期的に行いましょう。
食事療法としては、まず標準体重を計算し総摂取エネルギーを適正にします。LDL-Cの高い場合はコレステロールを多く含む食事(たとえば卵黄など)を避け、動物性脂肪の摂取を控えることが重要です。また、TGが高い場合は飲酒を減らし、総カロリーの摂取を抑えて体重を減らし、運動を心がけましょう。高脂血症改善のための食行動を表1に示しました。運動療法としては速歩き、サイクリング、水泳などの有酸素運動を定期的に行いましょう。
さまざまな作用を持つ薬食事と運動療法も根気よく継続
高脂血症の薬にはコレステロールの合成や吸収を抑えたり、TGの分解を促進したり、LDLの酸化変性を抑えるものなどがあります。種類によって作用は異なり、どのタイプの高脂血症に効くのかも違っています(表2)。
LDL-Cが高い場合にはコレステロール合成阻害薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬、スタチン)、陰イオン交換樹脂(レジン)、プロブコール系薬、コレステロール吸収阻害薬(エゼチミブ)、ニコチン酸誘導体が主として使われます。TGが高い場合にはフィブラート系薬、ニコチン酸誘導体、イコサペント酸エチル(EPA)などが使われます。多くの大規模試験によって、薬を使わなかった場合よりも使っていたほうが心臓病になるリスクが明らかに減ることが示されています。副作用として腎障害を引き起こす横紋筋融解症がありますが、きわめてまれと考えられます。
高脂血症治療薬を飲んでいれば食事療法や運動療法をしなくてもよいわけではありません。薬物療法に加えて、これらを継続することが大切です。また、高脂血症が改善しても薬を中断すれば元に戻りますので、血清脂質が下がったからといって薬をやめないようにしましょう。
LDL-Cが高い場合にはコレステロール合成阻害薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬、スタチン)、陰イオン交換樹脂(レジン)、プロブコール系薬、コレステロール吸収阻害薬(エゼチミブ)、ニコチン酸誘導体が主として使われます。TGが高い場合にはフィブラート系薬、ニコチン酸誘導体、イコサペント酸エチル(EPA)などが使われます。多くの大規模試験によって、薬を使わなかった場合よりも使っていたほうが心臓病になるリスクが明らかに減ることが示されています。副作用として腎障害を引き起こす横紋筋融解症がありますが、きわめてまれと考えられます。
高脂血症治療薬を飲んでいれば食事療法や運動療法をしなくてもよいわけではありません。薬物療法に加えて、これらを継続することが大切です。また、高脂血症が改善しても薬を中断すれば元に戻りますので、血清脂質が下がったからといって薬をやめないようにしましょう。

【引用・参考文献】
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画