ヘルスケアコラム

身体面、心理面、行動面に現れる、ストレス反応を素早くキャッチ
外部環境の変化に応じて体内環境を一定に維持する生体
私たちはストレッサーにさらされると、いろいろな反応を起こして、そのストレッサーに適応していこうとします。たとえば、何か新しいことを始めるときには緊張して心臓がドキドキしたり、おなかが痛くなることはよく経験します。その環境に慣れるにしたがって反応は徐々に起きなくなり、ストレッサーにさらされる前の状態を維持するようになります。
このように外部環境の変化に応じて体内の環境を一定に保つことを「ホメオスタシス」と呼んでいます。一度ホメオスタシスが破綻して崩されたとしても、治療により再び維持されるようになれば健康に戻ることができます(図1)。
このように外部環境の変化に応じて体内の環境を一定に保つことを「ホメオスタシス」と呼んでいます。一度ホメオスタシスが破綻して崩されたとしても、治療により再び維持されるようになれば健康に戻ることができます(図1)。
健康体に戻るメカニズムがホメオスタシス
たとえば、ウイルスに感染してかぜを引いた場合を考えてみましょう。規則的で健康な生活を送っていれば滅多にかぜは引きませんが、疲労がたまっていたり、からだが冷えると抵抗力が低下して、かぜの原因となるウイルス(ストレッサー)に感染しやすくなります。発熱、せき、咽頭痛などの自覚症状が現れますが、数日で元の健康体に戻ります。このように、からだが備えている、元に戻るメカニズムがホメオスタシスです。
ところが、時にはかぜをこじらせて肺炎になってしまうことがあります。この状態がホメオスタシスの破綻に相当します。抗生物質の投与や休養などの治療で、ホメオスタシスが再び維持されて健康を取り戻すのです。
ところが、時にはかぜをこじらせて肺炎になってしまうことがあります。この状態がホメオスタシスの破綻に相当します。抗生物質の投与や休養などの治療で、ホメオスタシスが再び維持されて健康を取り戻すのです。
ストレス反応が時には複合して現れることも
大きなストレッサーが加わったり、慢性的にストレッサーが加わり続けると心身のバランスが崩れ、ホメオスタシスが破綻し、さまざまなストレス反応を起こすようになります。
ストレス反応には身体面、心理面、行動面の3つの方向があります(図2)。身体面としては内分泌系、呼吸器系、消化器系、心血管系などに障害が生じて起こる心身症が代表です。心理面では不安や抑うつ、イライラが生じて起こるうつ病が挙げられます。行動面に現れると、会社に行けなくなったり、アルコール依存などに発展することがあります。また、3つの方向が重なり合うことも珍しくありません。3つの方向の出現の順番は個人差があります。身体症状が先に出る人もいますし、不安や抑うつになりやすい人もいます。最近はすぐに会社を休んだり、アルコールに依存するなど、行動面が先に出るケースが増えています。
これらのストレス反応を早くキャッチすることが、ストレス疾患治療のポイントになります。
ストレス反応には身体面、心理面、行動面の3つの方向があります(図2)。身体面としては内分泌系、呼吸器系、消化器系、心血管系などに障害が生じて起こる心身症が代表です。心理面では不安や抑うつ、イライラが生じて起こるうつ病が挙げられます。行動面に現れると、会社に行けなくなったり、アルコール依存などに発展することがあります。また、3つの方向が重なり合うことも珍しくありません。3つの方向の出現の順番は個人差があります。身体症状が先に出る人もいますし、不安や抑うつになりやすい人もいます。最近はすぐに会社を休んだり、アルコールに依存するなど、行動面が先に出るケースが増えています。
これらのストレス反応を早くキャッチすることが、ストレス疾患治療のポイントになります。

【引用・参考文献】
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画