仙台放送が運営する宮城県のヘルスケア情報サイト
ヘルスケアコラム
前頭前野は「いつもと違う」刺激や、人との関わりで活性化する

人の行動のキーになる働きを司る前頭前野は「脳の司令塔」

「料理をすることは脳にいい」という話があります。これは事実で、料理をしているときの脳活動を調べると前頭葉の前頭前野(図1、2)という部分が刺激されているのがわかります。
前頭前野は「脳の司令塔」と呼ばれ、意思や計画性、判断、創造、記憶、抑制、集中など、人間の行動のキーになる働きを司っています(図3)。その発達のためには適切な刺激を与える必要があります。
料理といっても、「いつもの料理をいつものようにやっている」――ルーティンワーク(日常業務)になってしまうと、活性化の度合いは小さくなります。「いつも15分かかっているのだったら、今日は10分でやってみる」とか、ふだんとは違う刺激を与えることが前頭前野を活性化させるうえでは重要なのです。
これは、処理能力(反応速度)を高めるトレーニングでも同様で、計算練習を惰性で行うようになると、効果は高まりません。足し算と引き算を交互に行う、4ケタの数字で下2ケタだけ選んで足していくなど、ちょっと工夫をこらすことが大切です。

「会話」は相手と対面する分、脳への刺激が大きくなる

先に述べたように、前頭前野に刺激を与えることが脳機能を高めるうえで重要です。会話をすることによってもその活動は高まります(左の脳の前頭前野の一部は「話す」ために進化した部位)。電話、携帯電話のメールでのやりとりでも同様な作用が生じますが、会話では相手の表情や雰囲気を読みながら対応する分、電話などに比べて脳への刺激は大きく、その活性度は高まります。

「笑う」「いいところを探す」「しかられる」ことでも前頭前野は活性化する

「笑う」ことでも前頭前野は活性化します。反対に、「笑わせよう」としてダジャレをひねることでも活性化します。おもしろいことに、いろいろな人の笑顔が次々と展開するスライドショーを見るだけでも刺激を受けます。笑顔に満ちた家庭、地域、会社は脳を鍛えてくれると言えるかもしれません。
また、誰かの「いいところを思い出す」場合と「いやなところを思い出す」場合を比べてみると、「いいところを思い出す」ほうが前頭前野や頭頂連合野が活性化します。この「いいところ探し」は脳トレのメニューにも実際に採用されています。
時には「しかられる」ことも必要です。「ほめられた」場合、言葉を聞くことに関係する部位は活発に活動しますが、前頭前野は休んでしまいます。ビシっとしかられることにより前頭前野は活性化するのです。
【引用・参考文献】
 総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画