ヘルスケアコラム

覚えるべき事柄を整理・復習してさまざまな工夫で記憶の強化を図る
記憶力の衰えを嘆く前に記憶するための条件整備を
加齢によって記憶力が低下することを示すデータは存在します。しかし、すでに述べたように、年を重ねることによって覚えるべきことが増えたにもかかわらず、記憶するための時間をとれないことが「昔ほど覚えられない」という状況を生んでいる一面もあります。
記憶力の衰えが気になるのであれば、まず、覚えるべき事柄を整理しましょう。そして、受験勉強のときのように復習します。3〜4回繰り返すと、脳内に情報が定着します。
「記憶することが苦手」と言う人に限って、反復していないことが多く、記憶が落ちるタイミングに合わせて刺激(記憶の強化)を与える工夫をしていないのです。つまり、「脳機能の低下」なのか、「記憶するための条件を整備できていない」のかを区別するのは難しいということです。工夫をしてそれでもだめなら、記憶力の低下を嘆きましょう。
記憶力の衰えが気になるのであれば、まず、覚えるべき事柄を整理しましょう。そして、受験勉強のときのように復習します。3〜4回繰り返すと、脳内に情報が定着します。
「記憶することが苦手」と言う人に限って、反復していないことが多く、記憶が落ちるタイミングに合わせて刺激(記憶の強化)を与える工夫をしていないのです。つまり、「脳機能の低下」なのか、「記憶するための条件を整備できていない」のかを区別するのは難しいということです。工夫をしてそれでもだめなら、記憶力の低下を嘆きましょう。
脳細胞は死滅する一方ではなく、新しく生まれることが明らかに
これまで、加齢によって脳細胞は死滅する一方であると考えられていました。しかし最近では、脳細胞も新しく生まれることが明らかになっています。
脳内にある「海馬(かいば)」という器官では、新しいことを覚えるたびに新しい神経細胞が生まれます(適度な運動をすることによっても増えます)。神経細胞の中に記憶が蓄積されるわけではありませんが、新しいネットワークの構築には新しい細胞が有用なようです。この細胞は学習によって増やすことが可能であり、加齢とともに萎縮しやすい海馬といえども、その萎縮速度を落とすことができると考えられます。したがって、記憶力トレーニングや認知トレーニングによって情報処理の能力を鍛えるのに遅いという年齢はなく、誰でもいつでも取り組むことができ、それなりの効果が得られます。
脳内にある「海馬(かいば)」という器官では、新しいことを覚えるたびに新しい神経細胞が生まれます(適度な運動をすることによっても増えます)。神経細胞の中に記憶が蓄積されるわけではありませんが、新しいネットワークの構築には新しい細胞が有用なようです。この細胞は学習によって増やすことが可能であり、加齢とともに萎縮しやすい海馬といえども、その萎縮速度を落とすことができると考えられます。したがって、記憶力トレーニングや認知トレーニングによって情報処理の能力を鍛えるのに遅いという年齢はなく、誰でもいつでも取り組むことができ、それなりの効果が得られます。
年をとると白質が充実して「世界」がすっきりとらえられる
年をとると、記憶が蓄えられている大脳新皮質同士を結ぶ「白質」という部分が充実してきます。これにより、「あのこと」と「このこと」を同じように考えることができるようになります。
これが仕事観、人生観、世界観のもとになります。「観」とは物事の考え方・とらえ方であり、この充実は年を重ねるにつれて得た経験の分類や統合によるものなのです。
これもまた、次項で説明する結晶性知能の一つであり、個々の人の「(能)力」を理解して適切に組み合わせるといった統率力・管理力なども、この知能によるものです。年をとると取捨選択が「観」としてできてきます。できてくるように努めることが記憶力アップにもつながります。
これが仕事観、人生観、世界観のもとになります。「観」とは物事の考え方・とらえ方であり、この充実は年を重ねるにつれて得た経験の分類や統合によるものなのです。
これもまた、次項で説明する結晶性知能の一つであり、個々の人の「(能)力」を理解して適切に組み合わせるといった統率力・管理力なども、この知能によるものです。年をとると取捨選択が「観」としてできてきます。できてくるように努めることが記憶力アップにもつながります。

【引用・参考文献】
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画