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ヘルスケアコラム
亜鉛の十分な摂取を心がけて味覚を維持しおいしく食べ続けよう

70歳代で顕著になる味覚障害食欲が減退し健康に悪影響

おいしいものを味わって食べることは生活の一番の楽しみです。加齢によって、わたしたちのからだの働きにはいろいろな障害が生じますが、味覚が損なわれ食事を楽しめなくなったらどうなるのでしょうか? 食欲がなくなり、健康状態も保てなくなります。このように私たちの基本的な生活の質に、味覚は大きく関与しているのです。加齢による味覚障害は60歳代から始まり、70歳代には顕著になります。近年のグルメ志向の風潮で、味覚の変化を早期から自覚する高齢者も増えてきています。
また、味覚には亜鉛という血液中の微量金属が何らかの作用をしていることが明らかになっています。一人暮らしの孤独な食生活による偏食から亜鉛欠乏となって、味覚障害を発症する場合も少なくありません。豊かな老年期を楽しむためにも、味覚を保つことは不可欠であり、味覚障害への対策は社会的にも重要な課題と言えます。

味覚障害には多くの要因が関与まず甘味の感じ方が弱くなる!?

味覚障害と言っても、単に味を感じにくくなったというものから、本来の味とは違った味に感じる異味症、特定の味だけを感じない解離(かいり)性味覚障害、何も口に入れていないのに異常な味を感じる自発性異常味覚まで、さまざまなものがあります。
加齢による味覚障害のほとんどは味を感じにくくなるものです。これらには味覚のセンサーである味蕾(みらい)の減少だけではなく、加齢による唾液の減少(ドライマウス)や、内服中の薬の影響など、多くの要因が関与していると考えられます。もちろん、味を感じる中枢である脳幹の働きの低下も重要な原因の一つです。
味には4基本味と言われる甘味、苦味、酸味、塩味がありますが、加齢によりすべての味が感じにくくなると言われています。特に甘味の感じ方が最初に弱くなるという報告もありますが、個人差が大きいようです。

食品とサプリメントで亜鉛補給味覚障害を引き起こす薬も要チェック

亜鉛不足が味覚に影響することがわかっていますから、味覚の維持、味覚障害の予防には亜鉛の摂取を心がけましょう。亜鉛を多く含む食品(表1)をとるようにするほか、サプリメントとしても亜鉛は入手が容易です。日常生活のなかで必要量(1日あたり約15mg)を摂取して、おいしく食べ続けましょう。
一方、味覚障害も、嗅覚障害と同様に薬剤との関係が深く、市販のかぜ薬や降圧薬、抗不整脈薬、抗うつ薬、抗甲状腺薬など多くの薬剤が味覚障害を引き起こす可能性がありますので、注意が必要になります。
【引用・参考文献】
 総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画