ヘルスケアコラム

各種検査により扁桃炎や肺炎、結核、リウマチなどを探る
炎症には急激に進展する急性炎症とゆっくり進む慢性炎症がある
よく扁桃炎(へんとうえん)、肺炎、胃腸炎などの病気を耳にすると思います。このように、最後に「炎」とついている病気は炎症が原因で起こります。
炎症とは図1に示すように、からだの組織の損傷を修復する一連の営みを言います。これは本来からだを守るものですが、過剰に起きると病気になり、急激に進展する急性炎症と、比較的ゆっくり進行する慢性炎症があります。炎症が起こると発熱、痛み、腫れ、赤くなる、機能が損なわれるなどの症状が見られます。
炎症とは図1に示すように、からだの組織の損傷を修復する一連の営みを言います。これは本来からだを守るものですが、過剰に起きると病気になり、急激に進展する急性炎症と、比較的ゆっくり進行する慢性炎症があります。炎症が起こると発熱、痛み、腫れ、赤くなる、機能が損なわれるなどの症状が見られます。
CRPは急性炎症のマーカーに、RAテストはリウマチの診断に有効
炎症を調べる検査には、以下のようなものがあります。
①血沈(けっちん):血液が凝固しないように採血後、目盛りのついた細長いガラス管に入れて垂直に立てます(図2A)。そうすると、重力の作用で血液中の赤血球が下に沈んでいきます(図2B)。この赤血球の沈下する速度(㎜/時)を測定する検査で、正式には赤血球沈降速度と言います。
②CRP:C-Reactive Proteinの略で、日本語ではC-反応性たんぱくです。CRPは主に肝臓でつくられます。からだの中で炎症が起こると、いち早く(4~6時間で)血液中にCRPが増加してきます。ですから、CRPは急性炎症のマーカーとして検査します。
③RAテスト:リウマチ、特に関節リウマチ(RA)は抗原-抗体反応により組織が損傷される病気です。リウマチは自己免疫疾患とされており、これも炎症の一種です。RAテストはリウマチ反応とも呼ばれ、リウマチの患者さんの血液中にあるリウマトイド因子(γ(ガンマ)-グロブリンに対する抗体)の有無を調べる検査です。
④白血球数:白血球も炎症があると増加します。
①血沈(けっちん):血液が凝固しないように採血後、目盛りのついた細長いガラス管に入れて垂直に立てます(図2A)。そうすると、重力の作用で血液中の赤血球が下に沈んでいきます(図2B)。この赤血球の沈下する速度(㎜/時)を測定する検査で、正式には赤血球沈降速度と言います。
②CRP:C-Reactive Proteinの略で、日本語ではC-反応性たんぱくです。CRPは主に肝臓でつくられます。からだの中で炎症が起こると、いち早く(4~6時間で)血液中にCRPが増加してきます。ですから、CRPは急性炎症のマーカーとして検査します。
③RAテスト:リウマチ、特に関節リウマチ(RA)は抗原-抗体反応により組織が損傷される病気です。リウマチは自己免疫疾患とされており、これも炎症の一種です。RAテストはリウマチ反応とも呼ばれ、リウマチの患者さんの血液中にあるリウマトイド因子(γ(ガンマ)-グロブリンに対する抗体)の有無を調べる検査です。
④白血球数:白血球も炎症があると増加します。
検査結果が異常値の場合、さまざまな病気が疑われる
各検査の基準値と、異常値になる病気を表1に示します。
①血沈:男性と女性では基準値が少し違います。約1時間で20㎜以上の値になると高値です。扁桃炎、肺炎、結核などの炎症のあるときに高くなります。また、リウマチなどの膠原(こうげん)病でも高値になります。ただ、貧血や悪性腫瘍(しゅよう)のあるときにも高くなりますので、必ずしも炎症があるときにだけ高値になるものではありません。
②CRP:血沈と同様に感染症などの炎症で高値になります。血沈に比べて鋭敏な検査ですので、わずかな炎症があっても高値になります。また、血沈に比べて貧血や悪性腫瘍などでは高値にならないので、それだけ炎症マーカーとして有用です。ごく最近は高感度のCRP測定が可能となり、動脈硬化の指標にも使われています。
③RAテスト:リウマチ(関節リウマチ)の患者さんで(+)となります。ただし、この検査はすべてのリウマチ患者において陽性にはならず、約80%が陽性になります。また、ほかの疾患、たとえば肝疾患、リウマチ以外の膠原病、慢性の炎症性疾患でも陽性になることがあります。したがって、この検査が陽性であるからといってリウマチであるとは言い切れません。
①血沈:男性と女性では基準値が少し違います。約1時間で20㎜以上の値になると高値です。扁桃炎、肺炎、結核などの炎症のあるときに高くなります。また、リウマチなどの膠原(こうげん)病でも高値になります。ただ、貧血や悪性腫瘍(しゅよう)のあるときにも高くなりますので、必ずしも炎症があるときにだけ高値になるものではありません。
②CRP:血沈と同様に感染症などの炎症で高値になります。血沈に比べて鋭敏な検査ですので、わずかな炎症があっても高値になります。また、血沈に比べて貧血や悪性腫瘍などでは高値にならないので、それだけ炎症マーカーとして有用です。ごく最近は高感度のCRP測定が可能となり、動脈硬化の指標にも使われています。
③RAテスト:リウマチ(関節リウマチ)の患者さんで(+)となります。ただし、この検査はすべてのリウマチ患者において陽性にはならず、約80%が陽性になります。また、ほかの疾患、たとえば肝疾患、リウマチ以外の膠原病、慢性の炎症性疾患でも陽性になることがあります。したがって、この検査が陽性であるからといってリウマチであるとは言い切れません。

【引用・参考文献】
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画