ヘルスケアコラム

血液やたんぱくの漏れを検出腎炎、感染、結石、がんなどが疑われる
1個の腎臓に100万個ある糸球体で尿がつくられる
まず、右の図1を見てください。腎臓は左右に1個ずつあります。腎臓の糸球体(しきゅうたい)と呼ばれる小さな構造物は毛細血管のかたまりからなり、1個の腎臓に100万個あると言われています。この糸球体で尿がつくられ、集まって腎盂(じんう)に流れ込みます。その後、尿は尿管を通って膀胱(ぼうこう)に入り蓄えられます。ある一定の量になると尿意を催します。尿を出そうとすると膀胱が収縮し、膀胱から尿道への出口が開き、尿は膀胱から尿道を通って体外に排出されます。男性には尿道のまわりに前立腺があります。
糸球体の働きが正常なら尿中に漏れることはない
糸球体から尿道までのどこに異常があっても尿に血液の漏出などが出ます。逆に、尿を調べることにより、これら尿の流れる道(尿路)のどこかに異常がないかどうかがわかります。
糸球体では1分間に100mlの尿が血液からつくられていますが、糸球体の働きが正常なら尿中にたんぱくや血液は漏れてきません。糸球体の病気(糸球体腎炎、糸球体硬化症など)になると尿中にたんぱくや血液が漏れてきます。血液が大量に漏れてくれば、目で見てもわかるくらい赤くなります(肉眼的血尿)。しかし、少ないと検査をしないとわかりません(顕微鏡的血尿)。たんぱくが大量に漏れてくると、からだのたんぱくが減って栄養不良の状態になり、むくみ(浮腫(ふしゅ))が出てきます。これをネフローゼ症候群といいます。
腎盂から尿道までの尿の流れる道(尿路)に異常があると、血尿(顕微鏡的血尿や肉眼的血尿)の原因となります。結石や腫瘍(がん)は腎臓、尿管、膀胱内のどこにでもできます。尿管結石は強い痛みを伴います。男性の前立腺の腫瘍には良性のもの(前立腺肥大)と悪性のもの(前立腺がん)があります。がんは早期発見による治療が大切です。また、感染でも血尿の原因となり、腎盂や腎臓に菌がつくと腎盂腎炎となります。通常、腰部の痛みと熱が出ます。膀胱に菌がつくと膀胱炎となります。これらの感染では尿が近い、排尿時に痛みがある、排尿後にすぐに尿意を催すなどの症状が現れますが、慢性化していると症状の現れないこともあります。大腸菌がもっとも多い原因菌です。
糸球体では1分間に100mlの尿が血液からつくられていますが、糸球体の働きが正常なら尿中にたんぱくや血液は漏れてきません。糸球体の病気(糸球体腎炎、糸球体硬化症など)になると尿中にたんぱくや血液が漏れてきます。血液が大量に漏れてくれば、目で見てもわかるくらい赤くなります(肉眼的血尿)。しかし、少ないと検査をしないとわかりません(顕微鏡的血尿)。たんぱくが大量に漏れてくると、からだのたんぱくが減って栄養不良の状態になり、むくみ(浮腫(ふしゅ))が出てきます。これをネフローゼ症候群といいます。
腎盂から尿道までの尿の流れる道(尿路)に異常があると、血尿(顕微鏡的血尿や肉眼的血尿)の原因となります。結石や腫瘍(がん)は腎臓、尿管、膀胱内のどこにでもできます。尿管結石は強い痛みを伴います。男性の前立腺の腫瘍には良性のもの(前立腺肥大)と悪性のもの(前立腺がん)があります。がんは早期発見による治療が大切です。また、感染でも血尿の原因となり、腎盂や腎臓に菌がつくと腎盂腎炎となります。通常、腰部の痛みと熱が出ます。膀胱に菌がつくと膀胱炎となります。これらの感染では尿が近い、排尿時に痛みがある、排尿後にすぐに尿意を催すなどの症状が現れますが、慢性化していると症状の現れないこともあります。大腸菌がもっとも多い原因菌です。
尿の異常を指摘されたら専門医を受診すること
尿の検査により血尿を指摘されたら、尿路の異常の可能性があります。異常の原因としては感染、結石、がんなどがあります。泌尿器科を受診してきちんと検査を受けましょう。超音波やCT(コンピュータによる断層撮影)検査によっても異常が見つからないときには、特発性血尿(原因のはっきりしない血尿)として経過を見ていくことになります。毎年、必ず定期健康診断は受けましょう。
尿の検査によりたんぱくが陽性と言われたら、糸球体の病気の可能性があります。たんぱくに血尿を伴う場合はその可能性はさらに高くなります。糸球体の病気は進行すると末期腎不全に至り、透析療法(人工腎臓)や腎臓の移植を受けないと生きていけなくなります。ですから、尿にたんぱくが出ている場合には内科、特に腎臓の専門医を受診し、きちんと診断をしてもらい、なるべく早く対策を立ててもらうようにする必要があります。尿にたんぱくが見られる場合には決して放置しないでください。
尿の検査によりたんぱくが陽性と言われたら、糸球体の病気の可能性があります。たんぱくに血尿を伴う場合はその可能性はさらに高くなります。糸球体の病気は進行すると末期腎不全に至り、透析療法(人工腎臓)や腎臓の移植を受けないと生きていけなくなります。ですから、尿にたんぱくが出ている場合には内科、特に腎臓の専門医を受診し、きちんと診断をしてもらい、なるべく早く対策を立ててもらうようにする必要があります。尿にたんぱくが見られる場合には決して放置しないでください。

【引用・参考文献】
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画