ヘルスケアコラム

視力低下と視野障害から多くの疾患を察知できる
眼球→視神経→脳という認識ルートをチェック
ビデオカメラで撮影している画像をケーブルでコンピュータにつなぎ、画面に映す様子を思い描いてください。これを人体に置き換えると、ビデオカメラが眼球、ケーブルが視神経、コンピュータが脳ということになります。したがって、視覚障害はこれらのいずれかの部位に問題があると起こり得ることになります。
視力は「2点を識別する能力」視野は「見える範囲」
視力とは「2点を識別する能力」と定義されています。この識別できる2点間の距離が小さければ小さいほど視力が良いということになり、見る能力がより鋭敏であることを表します。一般には見える範囲のなかでも特に中心部分の鋭敏さを表します。視力には肉眼での裸眼視力と、眼鏡やコンタクトレンズを装用した矯正視力とがあります。
一方、視野とは「視覚の感度分布」と定義されていますが、一般には「見える範囲」と理解してよいと思います。しかし、視野の中心部分と周辺部分ではその感度が違いますので、少し複雑になります。
視野検査は被検者に1点を凝視させた状態で一定の大きさの指標を目の前で移動させ、その指標が見えた範囲を図にします。指標を大きいものから小さいものへと順に変えながら行うと、正常ではやや耳側に広い同心円状の図ができあがります。これは社会科で学習した地図の等高線に似ています。地図の等高線では高い山ほど円が多く重なりますが、同様に視野でも小さい指標が見える中心ほど円が多く重なり、これは視覚の感度が高いことを意味します(図1)。
一方、視野とは「視覚の感度分布」と定義されていますが、一般には「見える範囲」と理解してよいと思います。しかし、視野の中心部分と周辺部分ではその感度が違いますので、少し複雑になります。
視野検査は被検者に1点を凝視させた状態で一定の大きさの指標を目の前で移動させ、その指標が見えた範囲を図にします。指標を大きいものから小さいものへと順に変えながら行うと、正常ではやや耳側に広い同心円状の図ができあがります。これは社会科で学習した地図の等高線に似ています。地図の等高線では高い山ほど円が多く重なりますが、同様に視野でも小さい指標が見える中心ほど円が多く重なり、これは視覚の感度が高いことを意味します(図1)。
狭窄などの視野障害には脳疾患が潜んでいる
一般に眼科での視力低下は、眼鏡やコンタクトレンズで矯正できない矯正視力の低下を指します。視力低下はさまざまな眼疾患で起こりますが、代表的な疾患を表1に示します。
徐々に視力が低下する代表疾患は白内障です。視力低下は一般に急激かつ高度に低下する疾患ほどその治療に緊急性を要し、また治療後を含めた最終的な視力が不良となる疾患が多いため注意を要します。
代表的な視野障害のパターンと、その原因疾患を図2に示します。
視野障害は疾患や障害部位により狭窄(きょうさく)または欠損の仕方が異なり、その形状から障害部位や疾患をある程度診断することが可能です。そのなかでも視力低下を伴う疾患については注意を要します。また、視野障害は脳疾患の症状としても大変重要なものですが、視力低下と違い軽度の場合は症状として自覚できないことも多いため、眼科専門医での検査が大切です。
徐々に視力が低下する代表疾患は白内障です。視力低下は一般に急激かつ高度に低下する疾患ほどその治療に緊急性を要し、また治療後を含めた最終的な視力が不良となる疾患が多いため注意を要します。
代表的な視野障害のパターンと、その原因疾患を図2に示します。
視野障害は疾患や障害部位により狭窄(きょうさく)または欠損の仕方が異なり、その形状から障害部位や疾患をある程度診断することが可能です。そのなかでも視力低下を伴う疾患については注意を要します。また、視野障害は脳疾患の症状としても大変重要なものですが、視力低下と違い軽度の場合は症状として自覚できないことも多いため、眼科専門医での検査が大切です。

【引用・参考文献】
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画