ヘルスケアコラム

緑内障も眼圧の違いで管理・治療が異なる。自分の病型を理解しよう
眼圧=眼球の内圧正常値は10~21mmHg
眼圧とは「眼球の内圧」のことですが、ゴムボールと同様に眼球には「ちょうどよい硬さ」があります。眼球に穴を開けない限り、眼圧を直接測定することは不可能ですから、眼圧は一般に眼球前面の外膜である角膜を通して測定されます。
眼圧の正常値は10~21mmHgです。これより低い状態を低眼圧、高い状態を高眼圧と言います。
眼圧の正常値は10~21mmHgです。これより低い状態を低眼圧、高い状態を高眼圧と言います。
眼圧は房水の産生と排出のバランスにより調整
眼球内は透明であることが大切です。したがって、眼球の透明な組織への酸素、栄養などの供給は、赤く混濁(こんだく)した血液の代わりに房水という透明な液体が眼内を循環することにより行われています。
眼圧はこの房水(ぼうすい)の産生と排出のバランスによって調整され、正常者では多少の日内変動はありますが、一定に保たれています。
眼圧はこの房水(ぼうすい)の産生と排出のバランスによって調整され、正常者では多少の日内変動はありますが、一定に保たれています。
眼圧が正常でも視神経の障害がある正常眼圧緑内障に注意
まず、眼圧は正常者においては左右ほぼ同様の値となるので、左右差がある場合は注意を要します。また、眼圧の異常による症状は、急激で高度の上昇では眼痛、頭痛、嘔気(おうき)・嘔吐(おうと)、虹輪視(こうりんし)、視力低下などが出現しますが、そのほかではほとんど無症状であるため注意が必要です。
一般には「高眼圧=緑内障」と考えてもよいと思いますが、正確には高眼圧により視神経に障害を生じ視野異常が出現している場合を緑内障と言い、視神経の障害がなく視野異常がない場合を高眼圧症と言います。このほかに眼圧が正常でも視神経が障害される正常眼圧緑内障も存在しますので、理解が難しいのですが、緑内障は形態的に房水の流出路が狭くなっている閉塞隅角(へいそくぐうかく)緑内障と、形態的には異常がなく眼圧だけが高くなる開放隅角(かいほうぐうかく)緑内障に大別できます。
それぞれの病態(病型)を図2に示します。病型により管理・治療の仕方が異なりますので、緑内障を指摘された方は自分の緑内障の病型をよく理解することが大切です。開放隅角緑内障はだれにでも起こり得ますが、閉塞隅角緑内障は眼球が小さい人(遠視気味の人)で、加齢により白内障が進行し水晶体が膨らんでいる人に起こりやすくなります。
低眼圧を来す疾患はあまり多くありませんが、外傷や手術により房水が通常の排出路以外に流出する場合や、網膜剥離が発症している場合に低眼圧を起こすことがあります。一時的な低眼圧はほとんど問題になりませんが、持続する場合には網膜(フィルム)の中心部にしわが生じる低眼圧黄斑症(おうはんしょう)となり、視力の低下を来す場合があります。
一般には「高眼圧=緑内障」と考えてもよいと思いますが、正確には高眼圧により視神経に障害を生じ視野異常が出現している場合を緑内障と言い、視神経の障害がなく視野異常がない場合を高眼圧症と言います。このほかに眼圧が正常でも視神経が障害される正常眼圧緑内障も存在しますので、理解が難しいのですが、緑内障は形態的に房水の流出路が狭くなっている閉塞隅角(へいそくぐうかく)緑内障と、形態的には異常がなく眼圧だけが高くなる開放隅角(かいほうぐうかく)緑内障に大別できます。
それぞれの病態(病型)を図2に示します。病型により管理・治療の仕方が異なりますので、緑内障を指摘された方は自分の緑内障の病型をよく理解することが大切です。開放隅角緑内障はだれにでも起こり得ますが、閉塞隅角緑内障は眼球が小さい人(遠視気味の人)で、加齢により白内障が進行し水晶体が膨らんでいる人に起こりやすくなります。
低眼圧を来す疾患はあまり多くありませんが、外傷や手術により房水が通常の排出路以外に流出する場合や、網膜剥離が発症している場合に低眼圧を起こすことがあります。一時的な低眼圧はほとんど問題になりませんが、持続する場合には網膜(フィルム)の中心部にしわが生じる低眼圧黄斑症(おうはんしょう)となり、視力の低下を来す場合があります。

【引用・参考文献】
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画