ヘルスケアコラム

MRIは認知症の早期発見に有効CTは心臓の細かな病気を発見
MRIはX線被ばくもなく、脳の形態や細胞の変化を詳細に表現
MRI(核磁気共鳴画像)検査は、強い磁場を発生する大きな磁石で囲まれたドームの中に入った検診者のからだに電波を当てることによって、細胞が固有に持っている磁場特性を画像として見せる技術です。電波の当て方にいろいろな方法があり、見たい病気に合わせて検査をデザインすることができる便利な方法です。X線を照射しないため、X線被ばくはありません。
磁石の強度を高くすること(高磁場装置)により詳細な画像が撮れるようになり、形や信号の強さから病気の発見とその性質の判断が可能です。脳の形を細かく見られるので、アルツハイマー病などの認知症性疾患の早期発見にも有効です。また、細胞の変化をさまざまな色合いで表現することが可能で、脳梗塞(のうこうそく)を脳細胞が死んでしまう前に見つけます。また、造影剤(後述)を使うことなく、血管を映し出す手法を使って脳動脈瘤(りゅう)を破裂する前にとらえることができます。
がん検診としても子宮がん、卵巣(らんそう)がん、前立腺がんの診断のほか、特殊な撮影方法でPET(ペット)と似た画像をつくり出すことで全身のがん検診にも応用可能です。
磁石の強度を高くすること(高磁場装置)により詳細な画像が撮れるようになり、形や信号の強さから病気の発見とその性質の判断が可能です。脳の形を細かく見られるので、アルツハイマー病などの認知症性疾患の早期発見にも有効です。また、細胞の変化をさまざまな色合いで表現することが可能で、脳梗塞(のうこうそく)を脳細胞が死んでしまう前に見つけます。また、造影剤(後述)を使うことなく、血管を映し出す手法を使って脳動脈瘤(りゅう)を破裂する前にとらえることができます。
がん検診としても子宮がん、卵巣(らんそう)がん、前立腺がんの診断のほか、特殊な撮影方法でPET(ペット)と似た画像をつくり出すことで全身のがん検診にも応用可能です。
先端CTは1mm以下の精度で検査被ばく量が多いのが難
CT(コンピュータ断層撮影)検査では、X線の照射装置と検出器を備えたドームの中に入って検査します。すでに30年以上の歴史がある診断装置ですが、最近の装置は格段に進歩し、短時間に1mm以下の細かさで病気を見つけることができます。そのため、今まで不可能とされてきた常に動いている心臓の細かな病気を見つけることが可能になり、生活習慣病の検診に応用され始めています。
冠動脈(かんどうみゃく)CTは、正常組織と病巣(びょうそう)部の間のコントラストを増強する造影剤を注射して心電図の波形と合わせながら、冠動脈硬化の程度を診断します。ただし、CTはPETよりも被ばく量の多い検査なので、専門医のいる施設で受けてください。また、メタボリックシンドロームで問題となる内臓脂肪の測定や骨粗しょう症のチェックにも用いることができます。
X線検査による肺がん検診は広く行われてきましたが、最近は被ばく量の少ないCTによる肺がん検診に代わりつつあります。X線検査よりもはるかに小さな肺がんを見つけることが可能な手法ですが、がん以外の病気をがんと疑い“病変”としてしまうこともあるため、一般化には至っていません。
さらに、大腸がん、ポリープの発見手法としてお尻からバリウムを入れて検査台の上で回転して検査する注腸造影に代わって、CTによる仮想大腸内視鏡も開発されつつあります(図1)。被ばくリスクはあるものの、X線撮影による大腸検査に比べると、被ばくリスクは5分の1から8分の1に抑えられます。
冠動脈(かんどうみゃく)CTは、正常組織と病巣(びょうそう)部の間のコントラストを増強する造影剤を注射して心電図の波形と合わせながら、冠動脈硬化の程度を診断します。ただし、CTはPETよりも被ばく量の多い検査なので、専門医のいる施設で受けてください。また、メタボリックシンドロームで問題となる内臓脂肪の測定や骨粗しょう症のチェックにも用いることができます。
X線検査による肺がん検診は広く行われてきましたが、最近は被ばく量の少ないCTによる肺がん検診に代わりつつあります。X線検査よりもはるかに小さな肺がんを見つけることが可能な手法ですが、がん以外の病気をがんと疑い“病変”としてしまうこともあるため、一般化には至っていません。
さらに、大腸がん、ポリープの発見手法としてお尻からバリウムを入れて検査台の上で回転して検査する注腸造影に代わって、CTによる仮想大腸内視鏡も開発されつつあります(図1)。被ばくリスクはあるものの、X線撮影による大腸検査に比べると、被ばくリスクは5分の1から8分の1に抑えられます。
検査を受ける前に、専門医によく相談すること
先端画像診断法はからだを傷つけることなく多くの病気を見つけることのできる画期的な検査方法です。ただし、それぞれの検査には特徴がありますので、検診を受ける前に医師によく相談して、また必要なときには画像診断専門医に相談することが大切です。また、結果の解釈も陽性か陰性かだけでなく、その検査の意味を理解した専門医から十分な説明を受けることがもっとも重要であると言えます。

【引用・参考文献】
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画