ヘルスケアコラム
黄熱の予防接種を要求する国も インフルエンザワクチンで重症化予防

定期接種と任意接種のスケジュールを頭に入れておこう

定期予防接種は個別接種が原則ですが、ポリオとBCGは市町村によっては集団で接種しているところもありますので、お住まいの地域に合わせて接種を受けることになります。定期予防接種は定められた期間内であれば無料で受けることができます。定期予防接種のスケジュールは表1を参照してください。また、任意予防接種は自己負担になりますが、必要に応じて推奨されている期間内で受けます。予防接種の詳細については、各市町村で説明書が配布されていますので、よく読んで内容を理解したうえで受けるようにしましょう。
予防接種当日は予診表の記入、体温測定、医師の問診と診察を経て、医師が接種可能と判断すれば、接種の同意書にサインをして受けます。接種後は、副反応が出ることもありますので、できれば30分くらい様子を見てから帰宅したほうがいいでしょう。また、特に問題がなければ当日の入浴もかまいません。

接種歴と渡航先の事情で接種計画を立てる

海外旅行をする場合、国(渡航先)によって要求される予防接種は現在「黄熱(おうねつ)」だけです。中南米やアフリカ大陸などにはワクチンを接種したことを証明する書類(通称イエローカード)を要求する国がありますので、事前に確認しておく必要があります。
また、黄熱以外のワクチンは旅行者の必要性に応じて接種するもので、破傷風、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、日本脳炎、麻疹、風疹、ジフテリア、ポリオ、腸チフス(流行時)、髄膜炎菌性髄膜炎などが推奨される予防接種です。自身の予防接種歴と渡航先の事情に応じて接種計画を立てましょう。

インフルエンザワクチンは年によって当たりはずれがある?

インフルエンザの予防の基本は流行前にワクチンを接種することです。ワクチンを接種していると、感染しても重症化防止に有効であることが実証されています。特に、感染したときに重症化しやすい高齢者や乳幼児ではその効果が期待できます。毎年流行するインフルエンザのタイプを事前に予測してワクチンを製造しますので、年によって当たりはずれがあり、有効性も年によって違うことがあります。また、インフルエンザワクチンの効果は長く続かないため、毎年接種する必要があります。小児の場合は、4週間空けて2回接種すると効果が上がります。13歳以上では1回の接種で十分です。
インフルエンザワクチンは鶏卵を使って製造されますので、明らかな卵アレルギーのある人は受けられないこともあります。アレルギーがある場合は医師に相談してください。
【引用・参考文献】
 総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画