ヘルスケアコラム
次第に収まる性器さわり かぶれや湿疹には気をつけて

偶然の快い触感がきっかけ 性別の認識は3歳ごろから

生後2日の乳児(男児)でも勃起が起こることが観察されています。
多くの場合、排尿や排便に先立って見られることから一種の反射的な勃起と考えられます。
乳児期の男児でも性器への刺激によって勃起が起こることや、女児でも性器への刺激が快く感じられることがわかっています。性器への刺激によって乳児に笑顔が見られたり、声を出したりするからです。思春期以前の子どもは、性器を見たり触ったりすることによって、性的な感情を持つことはありません。
約3歳で、幼児は人には性別があることと、自分の性がどちらであるのかということを知るようになります。異性の性器を見て、自分と異なることもこの時期には理解できると考えられますが、まだ単なるからだの差異としてとらえるにとどまり、思春期以降に生じる異性への性的な感情は伴いません。

心配する必要はない乳幼児のオナニー

偶然に生じた性器への触覚刺激をきっかけに、乳幼児が自分の性器をオムツや家具などに押し当てて刺激を加えることがあります。乳児が足を交差させ、顔を真っ赤にさせていたり、いすやベッドの端に陰部を強く押し当てるなどの行動が見られたら、乳幼児のオナニーと考えられます。また、オムツかぶれなどによる痒みが、そうした刺激の引き金になっている可能性も考えられます。オナニーは男児にも女児にも見られますが、性的な意味合いはなく、思春期以降のオナニーとは異なるものです。乳幼児期のオナニーは、思春期以降の性行動とは何の関係もないこともわかっています。特に何もしなくても次第に収まってきます。

幼児期の性器さわりに性的な意味合いはなし

幼児期の男児が、精神的なストレスを感じたり、手持ち無沙汰のときに、自分の性器に触ることがあります。これは、前述のオナニーとは異なり、精神的な緊張を和らげるための自己刺激行動で、爪かみなどと共通の心理的な原因によるものと考えられます。自分の性器が見え、また手で触ることができる男児でよく見られる行動です。
乳幼児のオナニーと同様、性的な意味はありませんので、強くしかったり、無理にやめさせる必要はありません。ただ、陰部の湿疹やただれによる掻痒(そうよう)感が性器いじりのきっかけになる場合がありますので、よく観察してください。
学齢期に入ってからも、のぼり棒などで性器を圧迫して一種の快感を覚えることがあります。しかし、これも乳幼児期のオナニーと同じく心配する必要はありません。
【引用・参考文献】
 総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画