ヘルスケアコラム
男子の性感染症 一生治らず、命を奪うものも 恋人と別れたら「けじめ検診」

膿が出て痛む淋菌感染症以外は無症状のものがほとんど

男子の性感染症のほとんどは2週間ほどで治るものが多く、やっかいな梅毒でも初期であれば1カ月ほどで治ります。しかし、一生治らない性器ヘルペスやパピローマウイルスなどの病気もたくさんあります。
C型肝炎もセックスによって感染すると言われています。C型肝炎は急に肝硬変を起こし、命を落としてしまう危険性を持っています。
性感染症の経路は【図1のように】さまざまです。その症状は、淋菌の場合でいえば排尿痛や、膿が出てきたりします。それ以外の男子の性感染症の特徴は、ほとんど症状が出ないことだと知っておいてください。

女子よりも性感染症にかかる機会が少ない男子

女子の性感染症の場合は、おりものの量が増えたり、においや色がついていたりして性感染症に気がつくことが多いものです。それに対し、男子は女子よりも性感染症にかかる機会が少なく、前記したように性感染症になっても淋菌感染症以外は症状が出ません。
ですから、男性も女性も、恋人と別れてから2カ月以内に1度、性病検査をすべきです。これを「けじめ検診」と呼んでいます。つまり、パートナーが変わったら、エイズや性感染症の検査を受けるべきなのです。これらの検査を受けずに新しいパートナーとセックスをすれば、病気をうつしてしまう危険性があります。「けじめ検診」を受けるのは、それを防ぐためです。
また、運が悪ければ、新しいパートナーによって、エイズに感染させられてしまう可能性もありえます。この病気も、感染したら一生治らないと認識しておいてください。

エイズへの引き金になるクラミジア 男子高校生の感染率は約7%

今や世界では、1年に400万人の男女がクラミジア性病のために失明しています。この病気に感染すると、性器に傷ができてエイズの罹患率が5~10倍高くなります。「エイズの前にクラミジアあり」といわれるくらい、クラミジアは重要な性感染症になりました。
【図3のように、】2004年度の感染の実態、厚生労働省の「新興・再興感染症研究事業報告書」によれば、日本の男子高校生のクラミジアの感染率は6.7%、女子高校生は13.1%という数字が出ています。
また、日本での少子化の要因の一つとして、女子のクラミジア感染による不妊症が挙げられます。もちろん、男性のクラミジア感染も不妊症の原因となっています。
【引用・参考文献】
 総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画