ヘルスケアコラム

子宮内膜症 不妊の危険もあるため痛みのサインを見逃さないで
現代女性に急増中 月経回数が多いほどリスク大
子宮内膜症の発生原因はいまだ解明されていませんが、エストロゲン(女性ホルモン)に依存した病気であり、月経回数が多いほどかかるリスクは高くなります。平均寿命が長くなるとともに長期にわたってエストロゲンにさらされる機会が増えていますので、子宮内膜症も増加しています。
子宮内膜症は外性子宮内膜症(子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所で増殖する)と、内性子宮内膜症(子宮内膜に似た組織が子宮筋層内で増殖する。子宮腺筋症という)の2つの場合に分かれます。外性子宮内膜症になりやすい部位は卵巣がもっとも多く80.7%。次いで子宮漿膜(しょうまく)67.2%、ダグラス窩(か)※40.6%などです(表1)。
子宮内膜症は外性子宮内膜症(子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所で増殖する)と、内性子宮内膜症(子宮内膜に似た組織が子宮筋層内で増殖する。子宮腺筋症という)の2つの場合に分かれます。外性子宮内膜症になりやすい部位は卵巣がもっとも多く80.7%。次いで子宮漿膜(しょうまく)67.2%、ダグラス窩(か)※40.6%などです(表1)。
月経痛や性交痛などが自覚症状 内視鏡で正確に診断
子宮内膜症の症状は発症時期や部位、病変の広がり、癒着の程度などにより、無症状から急激な激痛で救急処置が必要なものまで実に多様です。症状は一般的には長期にわたって次第に増強する月経痛(生理痛)や性交痛、下腹部痛、腰痛などで、不妊になる場合もあります。
医師の内診により、膣内に挿入した内診指で子宮の頸部(けいぶ)(入り口)を押さえると痛みを感じたり(子宮の移動痛)、子宮内膜症がよく発症するダグラス窩に指で触れると小腫瘤(しゅりゅう)が刺激され、痛みを覚えます。また、子宮が内膜症で癒着して後方に傾いて(子宮後屈)、子宮の自由な移動が妨げられると「卵巣チョコレート嚢胞(のうほう)」と呼ばれる嚢胞内に古い血液を溜めるようになり、超音波検査により微細顆粒エコー像を示します。これらの診察結果に加えて、血液検査で腫瘍マーカー(CA-125)が高値であれば、臨床的に子宮内膜症が疑われます。しかし、正確には内視鏡による診断が必要になります。
医師の内診により、膣内に挿入した内診指で子宮の頸部(けいぶ)(入り口)を押さえると痛みを感じたり(子宮の移動痛)、子宮内膜症がよく発症するダグラス窩に指で触れると小腫瘤(しゅりゅう)が刺激され、痛みを覚えます。また、子宮が内膜症で癒着して後方に傾いて(子宮後屈)、子宮の自由な移動が妨げられると「卵巣チョコレート嚢胞(のうほう)」と呼ばれる嚢胞内に古い血液を溜めるようになり、超音波検査により微細顆粒エコー像を示します。これらの診察結果に加えて、血液検査で腫瘍マーカー(CA-125)が高値であれば、臨床的に子宮内膜症が疑われます。しかし、正確には内視鏡による診断が必要になります。
完治は難しく、治療後1~2年での再発も
基本的に治療は薬物治療と手術療法に分かれます。いずれにしても完治するのは困難で、エストロゲン依存性であるため治療後1~2年で再発することも珍しくありません。鎮痛薬、漢方薬、運動療法、生活指導などで症状が緩和するものもありますが、重症例ではエストロゲンを抑える働きのあるダナゾールによるホルモン療法や腹腔鏡による癒着剥離、電気凝固、レーザー蒸散術などが行われます。
ピル(経口避妊薬)もある程度は子宮内膜症の発生防止や症状の抑制に有効だと言われていますが、ホルモン療法は長期に連用することは副作用の観点から難しく、3~6カ月程度の投与期間を繰り返すことになります。
※ダグラス窩(か)●子宮後壁、直腸、膣壁、骨盤側壁に囲まれるくぼみのこと、腹腔内では一番底になる部分。
ピル(経口避妊薬)もある程度は子宮内膜症の発生防止や症状の抑制に有効だと言われていますが、ホルモン療法は長期に連用することは副作用の観点から難しく、3~6カ月程度の投与期間を繰り返すことになります。
※ダグラス窩(か)●子宮後壁、直腸、膣壁、骨盤側壁に囲まれるくぼみのこと、腹腔内では一番底になる部分。

【引用・参考文献】
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画
総監修:渡邊 昌、和田 攻 100歳まで元気人生!「病気予防」百科 日本医療企画