先生の声
登山前に注意!知っておくべき「高山病」とは(その4)
初めての登山!頂上に登った時のことやみんなで楽しく登っていることを想像して、心弾ませている人も多いと思います。しかし、初めての登山にはたくさんの危険が潜んでいます。その代表的なものの一つが「高山病」。せっかくの楽しい登山が台無しにならないよう、また万が一病気になってしまったときにすぐに対処できるよう、最低限の知識を身につけて登山に臨みましょう。

万が一高山病になってしまったら?

以下の症状に合わせて対応してください。特にグループ登山では他の人に迷惑がかかる事を心配して我慢しすぎない様に気をつけてください。基本は無理せず下山する事です。

①山酔い:頭痛、倦怠感、吐き気、嘔吐など二日酔いのような症状です。下山するか、そのままとどまって高地順化を待ちます。ダイアモックスをお持ちの場合は予防目的のときよりも増量して1回1錠を朝夕2回服用し、症状の改善と高地順化を促進させます。水分は1日3000mlを目安に十分飲んでください。頭痛や吐き気にはそれぞれ鎮痛剤や吐き気止めが有効です。症状が改善しなければ下山してください。

②高地脳浮腫:ふらふらしてまっすぐ一本橋をわたる様に歩けない時はすぐに下山してください。可能なら酸素を吸わせ、デキサメサゾンという副腎皮質ホルモン剤を使用して脳浮腫の症状を改善します。現地に高圧チャンバーという全身に圧力をかけられる装置があれば2000m程度の下山効果を得られます。

③高地肺水腫:安静にしても数分以上息切れが続く時には肺水腫を考えて高度の低いところにおろす事が絶対に必要です。1000m下山する事で1日から2日で多くが回復します。ニフェジピンという高血圧の薬は肺の血管を拡張し肺水腫を改善します。軽症であれば酸素を与えながら安静にして保温するだけでも改善する場合があります。治療薬については医師とよくご相談ください。

交通手段の発達で高地に容易に行ける様になりました。また観光名所が意外に高地なこともあります。自力で上らなくても高山病は起きますから、天候の急変や非常時の対応の準備はもちろんの事、高山病対策も整えて登山をお楽しみ下さい。
執筆者
長崎医院
院長 長崎裕

(略歴)
平成3年3月、東北大学医学部卒業
平成v3年6月、山形市立病院済生館 内科研修医
平成5年4月、東北大学医学部第三内科入局(膵グループ)
平成10年4月、福島市大原医療センター消化器科赴任
平成11年4月、東北大学医学部第三内科 消化器内科)医員
平成12年10月、東北大学医学部総合診療部 助手
平成19年4月、東北大学病院総合診療部 講師、医局長、副部長
平成22年3月、東北大学医学部教室員会 委員長平成23年6月、長崎医院 院長
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