先生の声
秋になると食欲が増す理由とは?
「食欲の秋」という言葉があるように、秋は食べ物が美味しい季節。ついつい食べ過ぎてしまう…なんて方も多いのではないでしょうか?
秋になると食欲が増す気がするのはなぜ?そんな難しいテーマにご協力いただいたのは、ひまわり内科消化器科クリニックの星 勝彦 院長。
なんと今回は特別に『医学的知識』と『日常診療で感じるホンネ』の二つの観点でお答えいただきました!

秋に食欲が増加する理由とは?

―ズバリ、「秋に食欲が増す」理由はあるのでしょうか?

星先生:諸説ありますが、大きく3つ挙げられます。

①心身の安定につながる脳内の「セロトニン」というホルモンは、日照時間が短くなると少なくなり、糖質やたんぱく質を摂取する事によって分泌が増えます。そこで、食欲を増してセロトニンを増やし、体を安定させる、とする説。

②気温が低くなると基礎代謝量がアップします。冬に備えたくさん食べて、エネルギーを補充するとする説。

③「実りの秋」と言われるように、美味しいものが出回る為食欲が増すのは、自然のなりゆき、とする説。

\星先生のホンネ/
実は「食欲の秋」は診察室ではほとんど感じません!むしろ、夏と冬に食欲が増す方が多い印象です。体重増加も夏と冬によく現れます。
特に夏の「あっさりしためん類太り」と冬の「鍋物太り」は要注意!サラッととれる炭水化物は太りやすいですし、「野菜の鍋ならいくら食べても安心…」ではありませんので注意しましょう。

―『秋だから』といって特別食欲が増す訳では無いという事ですね…。季節を問わず食生活には気を付けるようにしましょう!

注意!食べ過ぎが招くトラブル

―食べ過ぎで起こりうる健康トラブルを教えていただけますか?

星先生:すぐに自分で気付く「胃腸の不調」と、気づきにくく後から怖い「メタボリックシンドローム」には注意が必要です。
「胃腸の不調」としては、胃痛・腹痛・もたれ・胸やけ・吐き気!急性膵炎(すいえん)という、命に関わる病気になる事もあります。

また、エネルギー過剰による肥満のみでなく、コレステロールや中性脂肪の増加・尿酸上昇による痛風・血圧や血糖値の上昇…これらはすべて、血管を硬く老化させ、脳梗塞や狭心症など、とても重大な病気の原因になります。

\星先生のホンネ/
その通り!体重増加で負担がかかり、膝などの関節痛を悪化させてしまう患者さんもいますね。

食べ過ぎを防止するテクニック

―秋の味覚も楽しみつつ、上記で挙げていただいたトラブルにならない為の対処法を教えてください!

星先生:「うまい話」はありません…。このコラムをご覧になっている皆様は、もう大人!?でしょうか。食べ盛りの10代の方は別として、「上質のものを少量」を心がけましょう!腹●分(数字は各自判断の事)を守り、ゆっくり味わいます。

秋の味覚を楽しむ場合は、はじめにきのこや野菜のおひたし・サラダ、続いて秋刀魚の刺身や塩焼き、最後に栗ごはん…と、食べる順番によっても、メタボ系の病気を予防出来る事が分かっています。ほどほどの運動もあわせて行えるといいですね!

\星先生のホンネ/
美食の方は病気になりにくい印象です。食べ物に関心が無く食事を抜いてしまう、お腹がすくと菓子パンとジュースでさっと済ませる…こんな方はとっても危険です。

せっかくの「実りの秋」です。
美味しいものにこだわって、海と大地の恵みを楽しみましょう♪
執筆者
ひまわり内科消化器科クリニック
星 勝彦 院長

住所:名取市みどり台2-4-3
TEL:022-386-8333
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