先生の声
「秋の花粉症」にご用心!
花粉症と言えばスギ花粉などで春に流行するイメージが強いと思いますが、秋にも花粉症があるってご存知でしたか?
どんな症状なの?春の花粉症と何が違うの?…そんな「秋の花粉症」のギモンに、医療法人イルソーレ 時計台クリニック院長の佐々木英彦先生にお答えいただきました!

秋の花粉症の症状とは?

佐々木先生:毎年のように秋になると鼻、のど、気管に不調が出て症状が長く続くといった場合、それは花粉症が原因かもしれません。
春・秋に共通する花粉症の症状として、くしゃみやサラサラした鼻水、鼻づまり、眼の充血や痒み、皮膚の痒み、熱っぽい感じなどがあります。また、ある種の野菜や果物を食べた後に口の中、唇、舌が痒くなったり腫れたりする「口腔アレルギー症候群」も気を付けなければなりません。

秋の花粉症で注意すべき症状は、のどから気管の症状です。春に飛散するスギなどの樹木からの花粉は粒子径が大きく、鼻粘膜で留る為、鼻水やくしゃみなどが症状の中心となります。

一方、ブタクサに代表される秋の花粉症では、粒子径が小さいため花粉がのどの奥に入りイガイガなど強い違和感を生じさせたり、気管まで入り込んで喘息のような症状を引き起こす場合が多くみられます。

こんな植物に注意!

「ブタクサ」
キク科の植物で道端や畑、河川敷など生活圏に広く分布しています。花粉の飛散時期は8月〜10月で、ピークは10月です。ブタクサ花粉症はスギ、ヒノキに次ぎ3番目に多く、秋の花粉症の原因では最多です。鼻炎症状に加え、喘息のような咳症状に注意が必要となります。また、ブタクサ花粉はメロン、スイカ、キュウリなどウリ科の食物のアレルゲンと構造が類似しており、口腔アレルギー症候群を引き起こす可能性があります。併せて注意を払う事が重要です。
「ヨモギ」
キク科の植物で繁殖力が強く、道端や公園、堤防など生活圏に広く分布しています。花粉の飛散時期は8月下旬〜10月上旬でピークは9月。ヨモギ花粉症も鼻炎症状や喘息症状に加え、ニンジンやセロリなどを食する際には口腔アレルギー症候群の症状発現に注意が必要となります。
「カナムグラ」
花粉の飛散時期は8月〜10月でピークは9月です。カナムグラはアサ科の植物で非常に繁殖力が強く、駆除するのが大変な事で知られています。野原や道端などに広く生息している一方、電柱やガードレール等に絡みついて高い場所にも葉を付ける事があります。カナムグラ花粉症も鼻炎・喘息症状に加え、口腔アレルギー症候群の症状発現に注意が必要となります。

簡単に出来る!秋の花粉症対策

佐々木先生:秋の花粉症の症状を軽くする為のポイントとしては、

①マスク:吸い込む花粉の量を減らす事により、症状を軽減させます。

②うがい:のどに流れ込んだ花粉を除去します。

③洗顔:洗顔により顔についた花粉を落とします。

④服を払う:帰宅時や洗濯物を取り込む際に衣服の表面についた花粉を払いましょう。

⑤近づかない:秋の花粉症の原因植物は背丈が低い雑草なので飛散距離が短いです(数10m)。その場所に近づかないようにする事も花粉症対策の一つです。

⑥加熱する:口腔アレルギー症候群を起こす野菜や果物のアレルゲンは熱に弱いので、加熱すれば食する事が出来る場合があります。

⑦アレルギー検査:毎年同じ時期に同じような症状が出る方は、血液検査でアレルゲンが分かる場合があります。

以上の7つが挙げられます。どれもすぐ出来るものばかりですので、ご自分に合った対策方法を取り入れてみましょう。

鼻、のど、気管の不調…風邪だと思っていた症状が、実は花粉症だった!なんて事に気付くキッカケとなるかもしれません。
今回の記事を参考に、素敵な秋を過ごしましょう♪
執筆者
医療法人イルソーレ 時計台クリニック 院長
佐々木 英彦 先生
住所:名取市杜せきのした2-6-7
TEL:022-398-3353
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