先生の声
運動不足解消に役立つ 家の中でできる運動

これだけは行なおう!筋肉運動3種目+足踏み!

昨今の新型コロナウイルスによる影響によって、極端に外出が減ったり、各地域での運動教室も自粛されているため、極度の運動不足になっている方々が非常に多くなっており、家の中で運動不足を解消できる方法を知りたい…とのご要望が多数寄せられたようです。
そこでこの記事では「これだけは行なっていただきたい筋肉運動」と「家の中で活動量を増やすコツ」についてご紹介します。

ふくらはぎの運動

①動かない重い椅子・机や、壁などに両手を添えて支えにし、かかとを上げ下げして「つま先立ち」を繰り返す。
②10~20回を2~3セット行なうが、つま先や足首に痛みがある人は、無理にがんばり過ぎないようにする。

太ももの運動

①仰向けに寝て、片脚の膝を立て、もう片方の脚を伸ばし、伸ばした脚を上げ下げする。
②10~20回行なったら、反対の脚も同様に行ない、各脚2~3セット実施する。きつい人は回数などを減らす。

肩と背中の運動

①両腕の肘を曲げ、両手の指先を肩の上に乗せる(乗らない人は近づけるだけでも良い)。
②前回しを10~15回、後ろ回しを10~15回行なう。肩や背中が痛む人は、無理にがんばらないようにする。

その場で足踏み

①両腕の肘を少し曲げて、小さく腕を振りながら、その場で軽い足踏みを10~20回行なう。
②体力がある人は、腕をやや大きく振りながら、脚も無理ない範囲で高く上げて、リズム良く20~30回足踏みを追加する。

家の中でも活動量を増やしましょう!

この記事を読んでくださっている方々に、ここで質問です。

1日に1回30分間の歩行をした健康な人々と、30分おきに1分40秒ずつの歩行を1日18回行なった健康な人々で、1日の平均血糖値を比べた研究があります。どちらも1日の運動時間が合計30分になりますが、より1日の平均血糖値が下がったのはどちらでしょうか?

答えは後者「30分おきに1分40秒ずつ…」の方です(引用 Peddie MC, et al. Am J Clin Nutr 98, 2013)。
いかにこまめに動くことが大切かを示した研究だと思います。

近年、座りっ放しが身体的・精神的な不健康につながってしまう…との研究報告が相次いでいます。
座り過ぎは体力を低下させてしまうだけではなく、精神面にも悪い影響を及ぼすことが分かっています(引用 Zhai L, et al. Br J Sports Med 49, 2015)。

家の中でずっと横になっていたり、座ったままになっていませんか!? 
テレビ鑑賞時のコマーシャル中に立ってみたり、その場で軽く足踏みをしたり、立って歯磨きをする、こまめに家の掃除をするなど、座る時間を減らす工夫をしましょう。

軽い運動は「免疫力」を高めることにも役立ちます。
スポーツ選手のような激しい運動は、運動中に免疫力が急激に高まるものの、運動後は免疫力が短時間で急激に低下してしまいます。しかしながら「軽い運動は免疫力を比較的長い時間高める」効果が期待できますので、ご自身にとって辛過ぎない活動量・強さ・頻度で、家の中でもこまめに体を動かしてください。
執筆者
公益財団法人宮城厚生協会 坂総合病院
運動療法センター係長 咲間 優
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