先生の声
「親子で学ぶ、ヘルスケア」インタビュー 安藤健二郎先生
一般社団法人仙台市医師会 安藤健二郎 会長インタビュー
東日本大震災から10年。
これまでの歩みと、今後の課題について、仙台市医師会 安藤健二郎 会長にインタビューしました。
取材日:2020年10月7日
※ウイルス感染予防に配慮して取材しております。
下記にインタビューの内容をテキスト化しております。
動画が見難い場合は、下記のテキスト版でご覧ください。
これまでの歩みと、今後の課題について、仙台市医師会 安藤健二郎 会長にインタビューしました。
取材日:2020年10月7日
※ウイルス感染予防に配慮して取材しております。
下記にインタビューの内容をテキスト化しております。
動画が見難い場合は、下記のテキスト版でご覧ください。
①震災から10年 これまでの歩みと、課題
仙台市医師会も、全国の医師会の先生方から大変助けていただいて、なんとかここまで来ました。我々がまた同じような震災や台風の被害など、いろいろありますので、そういう時にどう対処していくか。
具体的には医師の数、診療所で働く医師の数を上手く増やすと言うか、重複させるような仕組みを作って、いざ災害という時に人を出せる余裕を作りたいなと思っています。大震災というほどではないですけど毎年大きな台風とか局所の豪雨ですね、そういう風水害が多いので、そういったものに地域の医者の組織が、どういう風に対処できるかと。
例えば大きな災害で停電が起きた時に、診療所というのは、そもそもあまり緊急の電源システムを備えてないですね。病院には入院の患者さんもいますので、緊急の電源を必ず持っているんですけれども、我々診療所には必ずしも備わっていません。
一次医療機関として行って機能するためには停電対策をしっかりとして、停電の時にも最小限の診療ができる環境を確保できるように。いろいろ東北大学の先生方と考えて進めてきたところでございます。
具体的には医師の数、診療所で働く医師の数を上手く増やすと言うか、重複させるような仕組みを作って、いざ災害という時に人を出せる余裕を作りたいなと思っています。大震災というほどではないですけど毎年大きな台風とか局所の豪雨ですね、そういう風水害が多いので、そういったものに地域の医者の組織が、どういう風に対処できるかと。
例えば大きな災害で停電が起きた時に、診療所というのは、そもそもあまり緊急の電源システムを備えてないですね。病院には入院の患者さんもいますので、緊急の電源を必ず持っているんですけれども、我々診療所には必ずしも備わっていません。
一次医療機関として行って機能するためには停電対策をしっかりとして、停電の時にも最小限の診療ができる環境を確保できるように。いろいろ東北大学の先生方と考えて進めてきたところでございます。
②新型コロナウイルスの現状を受けて 市民と医療機関の関わりは
今このコロナ禍で、皆さん医療機関を受診するのが怖い、ためらいがあると思いますが、我々も感染対策はしっかりと行っておりますので、是非「かかりつけ医」を作って頂いて、「かかりつけ医」から色々な医療の情報を得ていただいて、家庭・家族と「かかりつけ医」で信頼関係を作って、医療に関する相談を受けるというふうなことをとても大事に思ってます。
是非、「かかりつけ医がいない」ご家庭では近くの家庭医をかかりつけ医として訪れてみては良いかと思います。
是非、「かかりつけ医がいない」ご家庭では近くの家庭医をかかりつけ医として訪れてみては良いかと思います。
③コロナ禍 かかりつけ医の現状と課題は
今まで新型コロナウイルスが第一波で出てきた時には、我々医者も情報がよく入りませんでしたので、マスクや手袋や自分防御する、医療機関を防御するような物資も不足していたので、なかなか対応が難しかったですが、今、だいぶ各国での状況とか日本での状況で「コロナにどういう風に向き合うか」というのは医療側もだいぶ解ってきたように思います。
かかりつけ医が本来の最初の医療機関として、機能できるようになってきてると思います。
一つは PCRの検査です。唾液を使った PCR検査が、我々一般の診療所でも出来るようになってきています。仙台市と仙台市医師会で行政検査ということで契約を結びまして、市内でも150を超える医療機関の先生方に唾液の PCR検査ができる体制・ネットワークが出来つつあります 。
かかりつけ医が本来の最初の医療機関として、機能できるようになってきてると思います。
一つは PCRの検査です。唾液を使った PCR検査が、我々一般の診療所でも出来るようになってきています。仙台市と仙台市医師会で行政検査ということで契約を結びまして、市内でも150を超える医療機関の先生方に唾液の PCR検査ができる体制・ネットワークが出来つつあります 。
④コロナ禍 注目を集めるオンライン診療の展望
「コロナ禍だから」ということではなくて、本当にオンライン診療が役に立つ場面というのをキッチリと考えていきたいと思います。
現状のオンライン診療は画面を通じた簡単な問診と相手をビデオ画面で診た、それだけの情報でどこまでの診療ができるのかな、というところが私は決して否定はしないし、推進もまだできないところです。
ただ、自分としては「聴診の情報」を是非欲しいと思いまして「オンライン診療で使える聴診器」の開発を進めているところです。それが出来るとまた少し対面の、普通の診療にちょっと近づけるのではないかなという風に思っています。
現状のオンライン診療は画面を通じた簡単な問診と相手をビデオ画面で診た、それだけの情報でどこまでの診療ができるのかな、というところが私は決して否定はしないし、推進もまだできないところです。
ただ、自分としては「聴診の情報」を是非欲しいと思いまして「オンライン診療で使える聴診器」の開発を進めているところです。それが出来るとまた少し対面の、普通の診療にちょっと近づけるのではないかなという風に思っています。
⑤かかりつけ医と中核病院の連携のあり方
まず、患者さん方の病気の情報をかかりつけ医や我々が頂いて、必要な検査や専門的な治療が必要であれば病院で診ていただくというシステムは、今も出来ていると思うのですが、これをさらにしっかりとしたものにしたいなという風に思います。
実は中核病院と我々診療所は、緊密に話し合いが今まで出来てなかったように思うんですね。
今回、仙台市医師会の組織が新しくなりましたので、医療機関同士の連携という、患者さん方がスムーズに診療を受けられるような、そういうものをしっかり進めていきたいなという風に思います。
実は中核病院と我々診療所は、緊密に話し合いが今まで出来てなかったように思うんですね。
今回、仙台市医師会の組織が新しくなりましたので、医療機関同士の連携という、患者さん方がスムーズに診療を受けられるような、そういうものをしっかり進めていきたいなという風に思います。
⑥震災から10年 これからの10年へ向けて
10年先が、どのような医療の状況がどうかということは、予想では「人が少し減る」「高齢者が増える」「医者も地域の偏在が埋まらない」という可能性があります。
そこで多くの工夫が必要だと思います。オンライン診療も一つの手かもしれませんが、地方や過疎地に医者が行ける体制を作る。そういうシステムも必要だろうと思っていて、将来構想を考える仕組みを医師会中にしっかり作って、知恵を出し合っていく。
これは、私一人だけで考えてもなかなか限界がありますので、同年代の優秀な理事がたくさんいますので、そういう先生たちと意見を出し合いながら、また先輩のお医者さん、後輩の先生方と意見交換しながら、みんなが思っている方向で進めて行きたいなと思っています。
そこで多くの工夫が必要だと思います。オンライン診療も一つの手かもしれませんが、地方や過疎地に医者が行ける体制を作る。そういうシステムも必要だろうと思っていて、将来構想を考える仕組みを医師会中にしっかり作って、知恵を出し合っていく。
これは、私一人だけで考えてもなかなか限界がありますので、同年代の優秀な理事がたくさんいますので、そういう先生たちと意見を出し合いながら、また先輩のお医者さん、後輩の先生方と意見交換しながら、みんなが思っている方向で進めて行きたいなと思っています。
「親子で学ぶ、ヘルスケア~これからの10年に私たちができること~」
来たる2021年3月11日で東日本大震災から10年を迎えます。
そこで減災情報の風化を防ぐため、また新型コロナウイルス感染症の流行による健康情報伝達の不足を懸念し、次世代を担う子供たちを持つ両親・家族を対象に、「親子で学ぶ、ヘルスケア~これからの10年に私たちができること~」をタイトルとした啓発キャンペーンを実施いたします。
このキャンペーンは、東北大学病院、東北大学東北メディカル・メガバンク機構、仙台市医師会、仙台放送の共同事業として、2020年12月より宮城県内で各種プログラムを展開いたします。
そこで減災情報の風化を防ぐため、また新型コロナウイルス感染症の流行による健康情報伝達の不足を懸念し、次世代を担う子供たちを持つ両親・家族を対象に、「親子で学ぶ、ヘルスケア~これからの10年に私たちができること~」をタイトルとした啓発キャンペーンを実施いたします。
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執筆者
一般社団法人仙台市医師会 会長 安藤健二郎